飛鳥旬のブログ

自分のアトピーは自分で治そう!

苦しみは人生を変える

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近所の公園

 

ある男性がいました。彼は勉強が出来て賢い人、いわゆるエリートタイプの人でした。国立大学を卒業後、一流企業に就職。仕事でも成功して地位も確立しました。その一方、彼はとても行き急ぐせっかちなタイプで、いい意味でも悪い意味でも「熱い人」でした。しかしいつも自分のことばかり考えているせいか、周りの人達は次第に彼には近寄らなくなりました。

そんなある日、彼は脳梗塞で倒れてしまいました。そして身体が麻痺してしまった。優秀で何でも思い通りだった人が、自分の身体の自由を奪われていまったのです。彼はとても苦しみ、その病を受け入れることができなかった。「こんな人生は自分の人生ではない!」と。そして、はじめて他人に頼らなければ生きていけなくなったのです。

彼の心は苦しみで一杯でした。身体も一向に良くなりません。医師や理学療法士の先生のアドバイスに耳を傾けることはありませんでした。彼の心は益々イライラ、ピリピリするばかり。どうしても現実を受け入れることができなかったのです。「何故自分だけがこんな目に!」。相変わらず、彼の心は苦しみに満たされていました。

しかし、しばらく経つとだんだん気持ちが落ち着いてきました。時間が現実を受け入れることを助けてくれました。「早く治りたい!」とばかり思っていたのが、それが叶わないと気付くと、この状態を受け入れるようになってきました。そして病や痛みと一緒にいられるようになり、医師の指示にも素直に従うようになりました。

「自分は賢いから誰のアドバイスも必要ない」と思っていたのが、病になって他人の意見を取り入れることができるようになっていきました。そうなると麻痺の症状も良くなり、歩くことができるようになったのです。この変化は彼の心にまで影響を及ぼします。そして遂に身体もほぼ元通りになったのです。

彼の知人は喜び、またとても驚きました。彼の性格がすっかり変わってしまったからです。心が落ち着き、心が広くなったと感じたのです。以前は誰のアドバイスも聞かなかったのに、今はもういろんな人の声に耳を傾けられるようになりました。自分の事しか考えなかった彼が、とても愛すべき存在になっていきました。人のことを思いやり、自分とは違う他者のことを受け入れる人になったのです。

どうして彼は変わったのか?本当の所は私にも分かりません。しかしながら、私自身も彼と似たような経験があるので、その経験から言うなら、それは「手放すこと」のような気もします。落ち着いて、現実を受け入れること。自分の思い通りにはならない。そう思って手放してみると、少なくとも心の苦しみは無くなります。で、その苦しみの消えた心で実践すると、次は身体が良くなっていく。そんな感じがします。苦しみは人生を変える。いい方向にも、悪い方向にも。

そう言えば、樹木希林さんは「人生は成り行き」みたいなこと言っていたが、自分もそう思うことは多い。出来ることなら自分は「全肯定」の人生を歩んでみたい。