満ち足りた感じのワケ
1月2日、日帰りで妻と十津川村へ。
お目当ては、いつもの源泉かけ流し温泉。泉湯。
このお湯にはいつも癒される。片道2時間半の道のりも苦にならない。3日経った今でも肌はスベスベしている。
昼食は、十津川村で唯一のお好み焼き屋さんへ。
このお好み焼き屋さん。以前、出川哲郎の「充電させてもらえませんか?」で知って、一度行ってみたかったのだが、今回、その希望が叶った。
いつも思うのだが、十津川村の人は総じて親切で優しい。そして人情味がある。
この店のご主人もそうだった。
十津川村の話をお聞きした後、「もしよければ・・」と言って、お好み焼きを頬張っている私達に、煮込んだ猪肉と大根を差し出して下さった。
絶品! 猪肉は全く臭みがなく、分厚く切られた大根は芯まで味が染みていた。
「なんだこの満ち足りた感じは?」
妻も満足気な様子。私は、しばらくこの満ち足りた感じの理由を考えていた。
すると、なんとなく浮かんだ言葉は「一体感」だった。
私もあなたも一緒。多分、この感覚だ。
「私はこんな良いモノ持ってるよ!」「あなた、持ってないでしょ?」
「俺ってこんなに凄いんだぜ!」「お前達とは全然違うだろ?」
この村に来ると、そーいう「分離感」が吹き飛んでしまう。
民主主義と社会主義、善と悪、敵と味方、アメリカとイラン。
この村にいると、不思議とそいう主義主張みたいなものがどうでもよくなる。
みんなでお金を出して「吊り橋」を掛ける。みんなで協力して「飢え」をしのぐ。
この村には、そういう歴史がある。
店を出る時、またご主人からひとこと。
「良かったら持って帰って」
それは、木の実でできた手作りの「トトロ」だった。
この「トトロ」。よく観ると表情がみんな違っていた。
表情はみんな違う。
でも、そこで感じたのはやはり一体感だった。